研究課題
若手研究
ラットを用いて二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)モデルと閉経(OVX)モデルを作成し,骨に発現するmRNAを用いて骨代謝と3点曲げ試験による骨強度を検討した.SHPTモデルでは骨形成,骨吸収ともに亢進しており,SHPT+OVXモデルでは骨吸収はさらに亢進し,骨形成はSHPTモデルと比較して低下していた.骨強度はSHPTモデルで低下し,SHPT+OVXモデルでは増強していた.エストロゲン欠乏はSHPTによる骨吸収を相加的に促進し,骨形成を抑制することが分かった.
CKD-MBD
エストロゲン欠乏と二次性副甲状腺機能亢進症を合併したときに,各々,またその組み合わせが骨代謝に与える影響を検討した研究は乏しく,慢性腎不全を有する女性の骨代謝におけるエストロゲンの重要性を示唆した.臨床的に慢性腎不全を伴う女性は男性よりも骨折リスクが高いことが分かっている.慢性腎不全を有する閉経後女性の骨粗鬆症や病的骨折に対する治療として,骨吸収抑制薬だけでは不十分で,エストロゲン補充や骨形成促進薬を用いて骨形成を促す必要性を示唆する研究である.