研究課題/領域番号 |
19K17758
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | (財)冲中記念成人病研究所 |
研究代表者 |
諏訪部 達也 (財)冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (90425439)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 多発性嚢胞腎 / 多発性嚢胞肝 / 環境因子 / ADPKD / PLD / polycystic kidney / polycystic liver disease / environmental factors |
研究成果の概要 |
ADPKDに伴う多発性嚢胞肝に影響する因子は不明である。我々の研究で、ADPKD患者では人工透析導入後に腎容積は縮小し肝容積は増大し続けるが、肝容積増大速度は減速することが判明した。また、血液透析に比べ腹膜透析では、腎容積と肝容積の増大速度が大きかった。さらにADPKD患者でPulse Wave Velocity (PWV)と肝腎容積との関係を調べたところ、PWV値は有意に肝腎容積に相関した。また、腎動脈塞栓術(TAE)後には、腎TAE前と腎TAE1年後の体液量の差が肝容積の縮小率に相関した。これらの結果より、体液過剰、血圧など動脈硬化に関係する因子が、嚢胞肝の進行に影響することが示唆された。
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自由記述の分野 |
腎臓内科
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD)患者の腫大腎については、環境因子の重要性が認知され、幾つかの治療方法が確立されてきた。しかし、ADPKD患者に高率に合併する多発性嚢胞肝の腫大については、進行に影響する因子や有効な治療方法は全く確立されていない。著明な腫大肝の患者は、最終的には肝移植しか治療方法がない状況である。本研究により、多発性嚢胞肝においても、多発性嚢胞腎と同様に環境因子が重要であることが明らかになった。ADPKD患者に伴う腫大肝の進行に影響する予後因子がある程度、同定され、進行の予測因子も分かってきた。この研究結果は、多発性嚢胞肝の基本的な管理方法を大きく変える可能性がある。
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