昨年度えられたデュピクセント長期使用後にアレルゲン特異的IgEの低下とIgG4抗体の増加に関する結果を論文化し学会発表を行った。また、保険収載されている、39項目のアレルゲン特異的IgE抗体を一括で検索できる採血検査を用いて、各アレルゲン特異的IgEの値(クラス)と血中総IgE量との相関性や、各アレルゲンクラス値間の相関についてアトピー性皮膚炎患者38名と喘息患者16名を対象に検討を行った。その結果、デュピクセント長期治療中にアレルゲン特異的IgEの低下とIgG4の増加をしめしたダニ抗原はマラセチアなどの他のアレルゲンと比較し、アトピー性皮膚炎患者において血中総IgEとダニ特異的IgEクラスとの相関や他のアレルゲンIgE値と広く正の相関性をしめした。また、発症年齢が低いアトピー性皮膚炎患者は各アレルゲンIgEクラスが高い傾向にあった。この結果は特定のアレルゲン(ダニ、小麦)が他のアレルゲン(スギ、マラセチア)よりもアトピー性皮膚炎の病態と関連している(病原性がある)可能性を示せた。この結果は論文化し発表をおこなった。
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