本研究では、日本紅斑熱の発生予防と疫学調査に焦点を当てた。三重県を対象に、日本紅斑熱の流行域と非流行域で旗振り法を使用して500匹のマダニを捕獲した。329匹のマダニ種をシークエンス法により同定し、PCR法によりマダニ内のリケッチアの存在を確認し比較した。日本紅斑熱の流行地域ではフタトゲチマダニが多く捕獲され、非流行地ではキチマダニがやや多かった。リケッチアの検出率は日本紅斑熱流行地域で高かった。さらに、マダニの行動パターンについて、天候や温度、湿度の影響を観察した。また、ミノマイシンの投与後のマダニ内のリケッチアの検出率と野生の生息マダニのリケッチア検出率と違いは認めなかった。
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