研究課題
若手研究
IL-13は、おもにTh2型のCD4陽性αβT細胞から産生されるサイトカインであり、アトピー型アレルギーにおいて重要な役割を担っている。ヒトの表皮内γδT細胞は大量の IL-13を産生する。痒疹患者をアトピー素因の有無で2群に分け、それぞれの皮膚病変部に浸潤するリンパ球を免疫染色により解析し比較したところ、アトピー素因を有する痒疹患者の皮膚病変部にはγδT細胞が有意に増加していることを確認した。さらに症例数を増やし、痒疹の臨床病型、考えられる要因毎に解析を進めている。
皮膚科学
ヒトにおける痒疹病変の免疫学的応答を確認するとTh2型免疫応答と、表皮肥厚などを引き起こすTh17型免疫応答がみられる。本研究により、アトピー素因をもつ痒疹患者においてγδT細胞が増加しており病態の形成に関与している可能性が明らかになった。γδT細胞はTh2サイトカインとTh17サイトカインの産生能を有することが知られており、γδT細胞の関与する痒疹の発症機序が明らかにされれば、本疾患に対する効果的な治療法を開発する糸口がつかめると予想される。