研究課題/領域番号 |
19K17795
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
山口 智美 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (90802835)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 血管型エーラス・ダンロス症候群 / 遺伝性結合組織疾患 / 次世代シークエンス / 分子遺伝学的発症機序 |
研究成果の概要 |
エーラス・ダンロス症候群(EDS)(全14病型)は組織脆弱性を特徴とする。その中で血管型EDSは、動脈病変、S状結腸破裂などの致命的な合併症を生じうる。本研究では、次世代シークエンス(NGS)を軸とした革新的遺伝子解析を通じて血管型EDSの分子遺伝学的発症機序の包括的解明を目指した。 NGSデータを用いたコピー数解析により原因が特定された例を国際誌に発表した。全ゲノムまたはCRISPR/Cas9系産物を用いたロングリードNGS構造解析、イントロン深部等を想定した皮膚線維芽細胞由来mRNAまたはゲノムDNA由来のLong-PCR産物を用いたロングリードNGS解析では原因特定には至らなかった。
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自由記述の分野 |
分子生物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
原因の特定に至った症例は少なかったが、構築した遺伝子解析基盤は研究代表者が担当するEDSの遺伝学的検査体制およびEDS患者の診療の向上に貢献しうるものと考える。また、血管型EDS疑い例の中に、類古典型EDS 1型の診断確定者、保因者をそれぞれ1例見出した。原因遺伝子に両アレル性の病的バリアントを有する前者、および後者の親は消化器関連症状を示した。NGSでの解析が困難とされてきた類古典型1型において独自のNGS解析法を開発したことにより、類古典型1型においても消化器関連症状のリスクが高いことを示した。これは、血管型EDSの分子遺伝学的機序を考える上で重要な所見となった。
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