研究課題/領域番号 |
19K17799
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
河野 邦江 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 助教 (20432619)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 小麦アレルギー / 低アレルゲン化小麦 / ω-5グリアジン / 食物アレルギー / 予防 |
研究実績の概要 |
「しまね夢こむぎ」は、小麦依存性運動誘発アナフィラキシーの原因抗原であるω-5グリアジンを欠失した低アレルゲン化小麦系統である。特殊な小麦であるため、他の小麦とのコンタミネーションを避けるための栽培環境であることが望ましい。同様に、他品種とのコンタミネーションを避けるため、製粉に際しても専用設備が必要となる。臨床研究に用いる小麦の確保を行うため、昨年度に引き続き、島根県内の独立した環境下で栽培を行う体制を整えた。 具体的には、島根県益田市および浜田市の棚田にて、1BS-18ホクシンについてスケールアップした試験栽培を行った。収穫時は専用のコンバインで刈り入れを行い、専用の乾燥器にて乾燥させ、専用の異物除去機を用いて異物除去を行った後に、専用の保冷庫に保管した(別途プロジェクトで入手した機器類を用いた)。さらに、専門機関にて2021年度産小麦のグルテンの性質を評価および製パン性の確認を行った。また、同小麦の低アレルゲン性についてもウエスタンブロット法による評価を行い、低アレルゲン性が担保されていることを確認した。 本研究申請当初に計画していた臨床試験に加えて、新たに臨床研究にも応用可能な食品開発を計画し、実施した。実施に際して、新たに1BS-18ミナミノカオリおよびその他の系統についても栽培試験を行った。これらの評価は次年度以降に行う予定である。 本研究は「しまね夢こむぎ」の実用可能性を評価する上で、極めて重要な情報を提供する基盤となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施の為に計画した事項のうち、独立した環境下での小麦栽培については、2021年度までに確保し得た。 専用の製粉設備に関しては、スモールスケールの環境を実験室内で確立し得、ラージスケールの環境も、並行して行うプロジェクトのもと確立し得た。
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今後の研究の推進方策 |
現状況下における小麦栽培のネックは、収量が天候や環境に依存する事である。 臨床研究用のみならず、一般流通への準備に向けて、より安定的な供給と体制維持ができるよう臨機応変に対応していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗に伴い新たな計画が生じたため
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