研究課題
「しまね夢こむぎ」は、小麦依存性運動誘発アナフィラキシーの原因抗原であるω-5グリアジンを欠失した低アレルゲン化小麦系統である。特殊な小麦であるため、他の小麦とのコンタミネーションを避けるための栽培環境であることが望ましい。同様に、他品種とのコンタミネーションを避けるため、製粉に際しても専用設備が必要となる。臨床研究に用いる小麦の確保を行うため、昨年度に引き続き、島根県内の独立した環境下で栽培を行う体制を整えた。具体的には、島根県益田市および浜田市の棚田にて、1BS-18ホクシンおよび1BS-18ミナミノカオリについてスケールアップした試験栽培を行った。収穫時は専用のコンバインで刈り入れを行い、専用の乾燥器にて乾燥させ、専用の異物除去機を用いて異物除去を行った後に、専用の保冷庫に保管した(別途プロジェクトで入手した機器類を用いた)。さらに、専門機関にて2022年度産小麦のグルテンの性質を評価および製パン性の確認を行った。また、同小麦の低アレルゲン性についてもウエスタンブロット法による評価を行い、低アレルゲン性が担保されていることを確認した。本研究申請当初に計画していた臨床試験に加えて、新たに臨床研究にも応用可能な食品開発を計画し、実施した。実施に際して、新たに1BS-18ミナミノカオリおよびその他の系統についても栽培試験を行い、有望な系統を見出した。本研究は「しまね夢こむぎ」の実用可能性を評価する上で、極めて重要な情報を提供する基盤となる。
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