PMEPA1は皮膚線維芽細胞のみならず、肺線維芽細胞においてもTGF-β刺激でmRAN・タンパクともに発現が上昇することを認め、皮膚のみならず肺などの他臓器の線維化にも関与している可能性が示唆された。また、TGF-β刺激後の経時的な変化を解析したところ、刺激8時間後にはコントロール群に比べ有意な発言上昇を認めており、TGF-β刺激後早期に反応する遺伝子であることが分かった。また、病態の関与を確認するため、全身性強皮症患者症由の皮膚線維芽細胞を用いて発現を解析したところ、健常人由来のの線維芽細胞とPMEPA1の発現に有意な差は認めなかった。また、全身性強皮症の皮膚検体体と健常人の皮膚検体のPMEPA1の発現を免疫染色したところ、両者の発現に有意差は認めなかった。更にsiRNAを用いて全身性強皮症患者症由の皮膚線維芽細胞のPMEPA1の発現をノックダウンしたところ、線維化関連遺伝子に大きは変化は認めなかった。 以上の結果より、PMEPA1は全身性強皮症のような完成された病態においては、初期の病態以外では関与が少ない可能性を考えた。そのため、創傷治癒における初期の線維化への関与を確認するため、In vivo実験で創傷治癒モデルマウスを用いて、背部皮膚に円形皮膚全層欠損潰瘍を作成し、創傷治癒過程を観察するとともに経時的に創傷部の皮膚を採取し、PMEPA1の発現を解析中である。
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