研究課題
正常ヒトケラチノサイトをカルシトリオールで刺激し、タイトジャンクション関連タンパク質の発現をリアルタイムPCRおよび免疫蛍光染色、ウェスタンブロットで解析した。その結果、カルシトリオールは抗菌ペプチドであるLL-37と比較してclaudin-4、claudin-7、occludinおよびZO-1の発現を大きく促進した。タイトジャンクションのバリア機能はCellZscopeを使用した経上皮電気抵抗によって測定した。カルシトリオールで刺激したケラチノサイトは、経上皮電気抵抗値の大幅な増加を示し、この結果から、カルシトリオールがタイトジャンクション関連タンパク質を誘導し、皮膚バリア機能を強化することが示唆された。カルシトリオールによるタイトジャンクション関連タンパク質の誘導における作用メカニズムを検討した結果、カルシトリオールはPKC、PI3K、GTP RAC-1 のリン酸化を大きく促進することが示唆された。糖尿病モデルマウスを用いて、リアルタイムPCR、ウェスタンブロット、免疫染色などの方法で、カルシトリオールによる皮膚バリア機能に対する役割の解析を行った。その結果、カルシトリオールはclaudin-4、claudin-7、occludinおよびZO-1の発現を大きく促進することが示唆された。また、カルシトリオールは刺糖尿病モデルマウスの経表皮水分蒸散量の大幅な下降を示し、皮膚バリア機能を改善した。以上の結果から、カルシトリオールがタイトジャンクション関連タンパク質を誘導し、皮膚バリア機能を強化することが示唆された。カルシトリオールによるタイトジャンクションの構造や創傷治癒の調節作用を理解することは、糖尿病を含む皮膚バリアを伴う疾患の新たな治療ターゲット探索への貢献となり得る。原稿は準備中です。
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