近距離で被曝を受けた81名の臨床データを収集した。男女比は0.439、被爆時年齢の中央値は8歳(0-18)、被爆距離の中央値は0.9km(0.3-0.9)、48例で発熱、出血、下痢、脱毛などの急性期症状を認めた。 また、81名の近距離被爆者の末梢血から単核球をFicoll分離し、genomic DNAを抽出した(Qiagen:QIAamp DNA Blood Mini Kit)。抽出したgDNAのうち、1μgを用い、次世代シーケンサーによる全エクソンシーケンス(Illumina HiSeq 2500)を行い、全症例の解析が終了した。Average depthは、Mean 206x、Median 208x (111x-282x)であり、十分なdepthを確保できた。Depth of coverageは1症例を除き、100xratioが0.8以上であり、Average depthの結果と合わせてシーケンスの質は良好であった。非被爆者の骨髄異形成症候群に高頻度でみられるdriver変異(SF3B1、TET2、DNMT3A、IDH1/2、)は7例に認めた。コピー数異常については、81例中13例(16%)に認めた。 現在、得られた変異に対し、バリデーション(Illumina MiSeq)を行っている。また、コントロールサンプルとして、非被爆者20名についても末梢血の単核球からgDNAを抽出し、同様のシーケンス解析を行う予定である。
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