多発性骨髄腫(MM)の病態には、ヒストン修飾が重要な役割を担っている。本研究では、DOT1L阻害による抗MM効果をさらに検証した。CRISPR研究より、MMの生存はDOT1Lに強く依存していることが示された。トランスクリプトーム解析により、DOT1Lの阻害がMM細胞の免疫反応を活性化することが明らかになった。DOT1Lの阻害はMM細胞において内因性レトロウイルス(ERV)遺伝子の発現を増加させた。一方、EZH2/G9aの共阻害もまた、ERV遺伝子の発現を増加させ、免疫反応を上昇させた。そしてEZH2阻害剤とG9a阻害剤の併用は、細胞周期停止とアポトーシスを誘導し、MM細胞の増殖を強く抑制した。
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