研究実績の概要 |
1-1.野生型および変異型VWF A1タンパクの発現および精製 野生型VWF A1発現をpET6xHN-C VectorおよびIn-Fusion HD Cloning Kitを用いてcompetent cell(plasmid)の作成を行い、Sequencerにて配列を確認した。ひきつづき、BL21(DE3)にtransfectionし、培養後細胞破砕液よりVWF A1タンパクをHisタグ精製を行った。ゲルシフトアッセイより精製したVWF A1とTAGX-0004の結合が確認された。 また、既報から明らかになっているVWF A1と血小板GP1bとの結合部位、VWF A1とRistocetinおよびBotrocetinの結合部位、VEF A1とARC1779との結合部位などを参考に以下の16種類の変異型VWF A1タンパクの発現を同様に行った。(R1287A, K1312A, R1334A, R1336A, K1348A, K1362A, F1366A, K1371A, E1376A, R1392A, R1395A, R1399A, K1406A, K1423A, R1426A, K1430A)
2.血小板血栓形成反応の阻害試験 健常人から静脈血をサンプル調整し、RistocetinおよびBotrocetin血小板凝集試験およびT-TAS試験を実施した。VWF A1阻害薬としてTAGX-0004、ARC1779、Caplacizumabを準備した。血小板凝集試験ではTAGX-0004はCaplacizumabとほぼ同等に血小板凝集を阻害した(ともに終濃度50 nMで完全阻害が得られた)。またARC1779は血小板凝集阻害により高濃度の溶液を必要とした(ともに終濃度で500 nMで完全抑制が得られた)。T-TAS試験でもTAGX-0004はCaplacizumabとほぼ同等に血栓形成を阻害した(ともに終濃度50 nMで完全阻害が得られた)。ARC1779は終濃度1000 nMにおいても血栓形成を阻害できなかった。
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