免疫不全マウスの多くで脾臓組織に鉄が蓄積すると報告されている。免疫不全を呈するSema4D欠失マウスを用いて観察したところ、同様に脾臓への鉄蓄積を認めた。本研究ではその原因を明らかにすることを目的とした。鉄は赤血球に由来し、老廃した赤血球が脾臓の赤脾髄マクロファージにより貪食されて貯蔵される。我々はSema4D欠失マウスにおいて、赤脾髄マクロファージの貪食能が亢進していること、その細胞数が増加していることを明らかにした。以上のことから、赤脾髄マクロファージの増加により脾臓組織への鉄蓄積が増加したと考えられた。
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