研究実績の概要 |
急性骨髄性白血病にDNA double strand break(DNA-DSB)とその修復が恒常的に生じていると推測し急性骨髄性白血病細胞株におけるγH2AXの発現と、HR修復機構に関わるタンパク質の解析を行った。細胞ではKG1a、HL60、OCI-AML3、THP1などの細胞株でγH2AXが発現しDNA-DSBが恒常的に生じているものと推定された。また、これらの細胞株では同時にRAD51が恒常的に高発現していることも明らかになった。 次にRAD51の高発現を認めたHL60, KG1, OCI-AML3に対するRad51-siRNAを用いたknock-downを行った、Lipofectamineを用いた導入ではOCI-AML3にのみ導入が成功しアポトーシスが誘導された。一方で、HL60, KG1ではLipofectamineを用いた導入が困難であった。次に、RAD51inhibitorであるB02によるHL60, KG1, OCI-AML3の投薬実験を行うすべての細胞株で細胞増殖の抑制が認められ、アポトーシスの誘導が確認された。さらにHL60, OCI-AML3ではVP16との併用で相乗効果が確認された。 次にこのRAD51を標的としたアポトーシスが、p53非依存性アポトーシス経路を介したものであったかどうかを確認するため、TP53 knock-out OCI-AML3を作成し、同様にRAD51のRAD51-siRNAを行うとnormal controlと同様にアポトーシスが誘導された。このことからRAD51の抑制によって誘導されるアポトーシスapoptosisは p53非依存性の経路を介したものと考えられた。 現在、このp53非依存性アポトーシスの経路としてp73を介した経路を想定し現在解析を行っている。
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