医原性免疫不全関連リンパ増殖性疾患(IIALPD)の組織学的所見は、反応性リンパ節炎からリンパ腫まで様々である。約60%の症例で免疫抑制剤の減量・中止により自然退縮する。本研究では、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の組織型であった54症例を対象に、自然退縮例と化学療法必要例を比較し、包括的な遺伝子解析を行った。解析の結果、DLBCLに特徴的な遺伝子変化が認められ、自然退縮例ではSGK1、TET2のバリアントがみられ、主要な体細胞バリアントはみられなかった。このことから、IIALPDにおいて、診断時のマルチ遺伝子パネル検査が、早期の治療介入や関連薬剤の中止の決定に重要と考えられた。
|