本研究では、B細胞性腫瘍の代謝がT細胞により活性化され、そのことによりB細胞性腫瘍の治療抵抗性がもたらされている可能性を検討した。慢性リンパ性白血病細胞において、T細胞により腫瘍の解糖系が亢進されること、並びに、T細胞により腫瘍の生存が支持されることが示唆された。しかし、T細胞による腫瘍の解糖系亢進が、T細胞による腫瘍の生存促進に関与している可能性は否定的であった。その他のB細胞性腫瘍では、T細胞による腫瘍細胞の解糖系亢進効果は明らかではなかったが、多発性骨髄腫細胞の生存がT細胞により支持されることが示唆された。これらの知見から、B細胞性腫瘍に対する、新規治療が開発されることが期待される。
|