研究課題
本計画では、当該若手研究者の今までの成果を生かし、研究開発提案課題のうち、血球分化系の改良とその疾患解析への応用に取り込んだ。造血幹細胞移植は白血病をはじめとする腫瘍や血液・免疫疾患に対する有効な治療法であるが、ドナー不足と拒絶反応が課題である。iPS細胞から造血幹細胞を誘導することで、血液・免疫疾患の治療に貢献できると考えられる。近年、当該若手研究者により造血幹細胞の誘導に必須の転写因子の組み合わせが同定されたが、安定した長期造血幹細胞の誘導はいまだ課題であり、効率的な誘導方法の開発が必要である。本研究では、機能的な血液細胞の効率的な誘導方法を開発し、分化異常の解析や疾患関連表現型を忠実に再現する細胞を導出する。これによって、疾患iPS細胞を用いた血液免疫疾患研究を推進する基盤を構築することを目標とする.当該若手研究者は研究指導者と共同で血球分化法に関連した特許を出願し、iPS細胞からスフェロイドを作成することで効率よく血球分化誘導を行う方法を共同研究者とともに論文化し出版した。
2: おおむね順調に進展している
当該若手研究者は研究指導者と共同で血球分化法に関連した特許を出願し、iPS細胞からスフェロイドを作成することで効率よく血球分化誘導を行う方法を共同研究者とともに論文化し2本出版した。
今年度は赤芽球を試験管内で増幅する技術の開発に関する論文を投稿中であり、その出版を目指す。当該若手研究者はヒト臍帯内皮細胞からの液性因子により赤芽球を増幅させることを発見した。これら液性因子の同定と化合物による代替はiPS細胞から分化した赤芽球の生産と応用につながると期待される。
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