研究課題
無治療寛解維持(TFR)は、慢性期慢性骨髄性白血病(CML-CP)患者の治療目標の1つである。何らかの抗腫瘍免疫がTFR達成に寄与することが示されていたが、その詳細な機序まだ不明である。Killer immunoglobulin-like receptor(KIR)とHuman leukocyte antigen(HLA)の遺伝子多型が、チロシンキナーゼ(TKI)治療中のCML-CP患者のDeep molecular response (DMR)達成に関与していることを我々は以前報告をしている。今回、我々は、TKI内服中止後の患者のKIRおよびHLAの多型とTFR達成の関連を調べることにした。 76人のCML患者のKIRおよびHLA遺伝子多型とフローサイトメトリーにてNK細胞の活性について解析を行なった。76人中33人の患者が安定したDMRを達成した後、TKIを中止でき、33人中21人がTFRを達成した[63.6%; 95%信頼区間(CI)、44.9%-77.5%]。多変量解析により、男性の性別(HR、0.157; 95%CI、0.031-0.804; P = 0.003)およびHLA-A * 02:01、* 11:01、または* 24:02(HR、6.386; 95%CI; 1.701-23.980; P = 0.006)を有することがTFR達成因子と分かった。DMRを達成し、TKIを中止できた患者では、中止できなかった患者よりも高いNK細胞活性を示した。一方で、TFRを達成した患者と分子再発を認めた患者ではNK細胞の活性化状態に差はなかった。 HLA-A座の多型の違いはT細胞免疫活性に関与すると考えられた。これらの結果から、NK細胞の活性化状態がTKI治療中のDMRの達成に寄与するのに対し、T細胞性免疫活性はTKI中止後のTFR達成に寄与したことを示唆する。
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