本研究は、骨髄腫細胞の悪性能獲得のメカニズムとして、①骨髄腫細胞の分子標的薬への耐性獲得 ②髄外病変の進展の促進 の2点におけるARK5の関与を解明し、ARK5活性化による悪性度の高い骨髄腫細胞に対する有効な治療法の探索を目的として行った。①分子標的薬への耐性獲得については、免疫調節薬レナリドミドの耐性獲得に関連している可能性が示唆された。②髄外病変の進展については、低酸素下において、ARK5の発現は増強することが、多発性骨髄腫の髄外進展に関わる可能性を認めた。ARK5阻害薬の作用機序の検討においては、mTOR経路、カスパーゼなどのパスウェイの変化を認めた。
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