研究課題/領域番号 |
19K17874
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
吉村 英晃 関西医科大学, 医学部, 助教 (70646976)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 移植片対宿主病 / レナリドミド / 制御性T細胞 |
研究実績の概要 |
平成31年度は本研究の基盤を確立すべく、まずin vitroにてレナリドミドのT細胞における作用を検討した。B6マウスにレナリドミドの腹腔内投与を行い3週後の脾臓をフローサイトメトリーにて解析を行った結果コントロール群と比しTregの減少とNK細胞の増加を認めた。B6-Foxp3GFPマウスより上記と同様の手技を行い、脾細胞よりセルソーターを用いてGFP陽性分画を分取した。同分画に対しCFSE染色を行った上で放射線照射を行った脾細胞と共培養を行い、その分裂・増殖を解析したがレナリドミド投与群とPBS投与群では有意な差を認めなかった。またTregのTconvに対する抑制能を解析するため、CFSE染色を行ったTconvを様々な量のTregと放射線照射を行った脾細胞と共に培養を行った。その結果レナリドミド条件下とPBS条件下ではTconvの増殖に有意な差を認めず、Tregの抑制能に関しての差異は発見できなかった。次にin vivoにおけるレナリドミドの作用の解析のため急性GvHDマウスモデルの作成を行った。Balb/cマウスに8Gyの全身放射線照射を行い、B6マウス由来のT細胞除去骨髄細胞と、脾細胞よりT細胞を単離し輸注を行ったところ、既報通り急性GvHDを発症したため、以後の実験においてこれをモデルとして使用した。上記モデルにて輸注後、連日レナリドミドまたはPBSの腹腔内投与を行い、PBS投与群とレナリドミド投与群にて生存率とGvHDスコアの比較を行った。レナリドミドを高用量投与するとPBS群と比し生存率は改善を認めたが、低用量の投与では生存率は悪化を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レナリドミドがTregを含むT細胞に影響を及ぼしていること、急性GvHDマウスモデルにおいて影響を及ぼしていることが確認できた。今年度の目標としていた事項に関しておおむね達成できたと考える。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きマウス急性GVHDモデルを用いて、レナリドミドによるGVHDへ影響を及ぼすメカニズムについて投与条件により結果が異なることの機序を含めて解析を行う。
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