研究実績の概要 |
令和4年度はGvHDモデルにおける病態の主座と思われる腸管におけるT細胞の動態の検討を行った。GvHDホストマウスより小腸の粘膜固有層のT細胞単離しフローサイトメトリーにて解析を行った。Tregの割合に関しては両群間において有意な差を認めなかったもののLEN群にてTconvは減少していた。次にトランスウェルを用いてT細胞の腸管への遊走能を検討した。上室にGvHDホストマウス由来のT細胞を,メンブレンにはL-PAMのリガンドであるMadCAM1にてコーティング、下室にCCL25入りのメディウムを入れ下室への細胞遊走をフローサイトメトリーにて解析した。有意差はなかったもののLEN群にてT細胞の浸潤は少ない傾向にあった。 したがって急性GvHDマウスモデルにおける早期のLEN投与にてGvHDの軽減が見られた。脾臓や腸管のT細胞分画・機能を検討した結果、機序としてはTconvのL-PAMの低下が観察され腸管への遊走が低下していることが最も考えられた。この検討結果は論文にて報告を行った。
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