研究課題/領域番号 |
19K17885
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
加藤 保宏 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (30837050)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | SLE / AdMVs / type I IFN |
研究実績の概要 |
本研究では、AdMVsを構成する成分やAdMVsに含まれているdsDNAの特徴や性質を解明し、type I IFN (IFN-I)を産生する分子メカニズムの解明を行う。さらに、IFN-I誘導因子として同定された分子が、病勢のバイオマーカーとして臨床応用可能となるかを明らかにすることを目指す。この目的のためにはIFN-I誘導活性が強い血清サンプルが必要となる。そのため、まずは当施設で保管されている患者血清サンプルを用いて、血清によるIFN-I誘導活性のスクリーニングを行った。一部のサンプルでIFN-I誘導活性が高いことが再確認できているが、AdMVsの詳細な解析を行うために十分なサンプル数が確保できず、症例の集積を要したが、2020年度並びに2021年度はCOVID-19の大規模な流行に伴い、その病態解明を含めた研究遂行を要し、SLE関連の研究へのエフォートを割くことができなかったため、研究に進捗は得られなかった。2022年度はSLE患者血清を使用し、IFN-I誘導活性の確認、またAdMVs分画に強いIFN-I誘導活性が確認できるサンプルを同定できている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度はSLE患者血清中のAdMVsの分離ならびに分離したAdMVsによるtype I IFN誘導活性を確認した。また、血清中のAdMVsの数を評価するためナノ粒子イメージングアナライザーを用いたプレリミナリーなデータも収集している。AdMVsに内包される物質の解析には至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
AdMVs中のtype I IFN誘導因子を明らかにするため、SLE患者血清から分離したAdMVsのMS解析を実施する予定である。また、COVID-19の研究で明らかとなったtype I IFN抗体にも着目し、SLEのtype I IFNと関連する病態の解析を検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
社会的重要性が高いCOVID-19の病態解明の研究と並行して行なっているため、当該研究へエフォートを割けず、AdMVsの解析に着手できていなかったため。2023年度にてAdMVsの解析などの測定を行っていく予定としている。
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