研究課題/領域番号 |
19K17887
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
綾野 雅宏 九州大学, 医学研究院, 助教 (40773677)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | CD226 / 全身性エリテマトーデス / B細胞 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、近年全身性エリテマトーデス(SLE)の新規疾患感受性遺伝子として報告された共刺激分子CD226に着目して、SLEの病態形成におけるCD226の機能を明らかにし、CD226を標的とする治療法を確立することである。今年度はSLE患者における血清可溶型CD226(sCD226)および細胞膜上のCD226発現レベルを測定し下記の知見を得た。 1.SLE患者と健常者で血清sCD226濃度をELISA法で測定した。SLE患者と健常者で血清sCD226濃度に明らかな差は認めなかったが、SLE患者内で比較すると疾患活動性の高い患者で血清sCD226が高値であり、血清sCD226は腎炎以外の活動性指標(non-renal SLEDAI)と正の相関を示した。 2.SLE患者と健常者の末梢血単核球上のmCD226発現をフローサイトメーターで測定した。SLE患者では健常者と比較して末梢血単核球上のCD226陽性率が高く、サブセットで評価するとB細胞と単球でCD226陽性率が有意に高かった。SLEの疾患活動性との関連ではB細胞のCD226陽性率とSLEDAIで有意な正の相関を認め、特に活動性腎炎を認める患者でB細胞のCD226陽性率が高かった。 以上の結果から、SLE患者では血清sCD226はバイオマーカーとして有用であり、CD226陽性B細胞がループス腎炎の病態に関与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SLE患者検体を用いた解析を十分に行えたため、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降はCD226陽性B細胞の機能的特徴をより詳細に解析するとともに、血清sCD226のバイオマーカーとしての意義を検討する。また本年度十分に進められなかったマウスモデルを用いた研究にも精力的に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
CD226陽性B細胞の機能解析に用いる予定の試薬を一部購入しなかったため、次年度の購入に充てる予定である。
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