研究課題
8-12週齢の野生型およびRAGEノックアウトC57BL/6マウスにプリスタン0.5mlを腹注し、投与1‐2週後の肺の病理学的評価をおこなったところ、びまん性肺胞出血の程度に違いを認めなかったが、RAGEノックアウトにより線維化領域が拡大していた。気管支肺胞洗浄液中のTNF-αやIL-1βもRAGEノックアウトマウスで高い傾向があった。肺組織から得たcell suspensionをフローサイトメーターで解析したところCD11b-CD11c+SiglecF+肺胞マクロファージが増加していたがCD206を発現しており、M2様マクロファージの機能を有している可能性が示唆された。また野生型マウスでは肺胞マクロファージにRAGEが発現していた。一方RAGEノックアウトC57BL/6と代表的な自然発症SLEモデルであるMRL/lprマウスを10-11世代戻し交配すると、RAGEノックアウトにより抗DNA抗体や蛋白尿、リンパ組織腫大など病勢が改善することをこれまで明らかにしてきたが、血漿のサイトカインレベルはIFNγ、TNF-αやIL-17AがRAGEノックアウトマウスで高い傾向があり、逆にIL-10は低い傾向があった。さらにリンパ組織においてCD3+ CD4-CD8- T細胞の増殖がRAGEノックアウトで減少していることも明らかとなり、その増殖能やアポトーシスにおけるRAGEの役割について検討を行っている。RAGEノックアウトマウスの脾臓においてはCD11b-CD11c+細胞が増加しており、このサブセットの検討も必要である。
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