研究実績の概要 |
1. 研究の目的 ①小児リウマチ性疾患の病態を解明すること:小児リウマチ性疾患患者の治療前後および寛解増悪時における末梢血および関節液のT細胞、B細胞、単球、NK細胞、樹状細胞数を網羅的に測定し、その動態を解析する。 ②小児リウマチ性疾患の難治性を予測するバイオマーカーを確立すること:小児リウマチ性疾患患者において、治療後に治療反応性から治療反応群と治療不応群とに分け、治療前に測定した各種免疫担当細胞数を2群間で統計学的に比較検討する。 ③既報の成人リウマチ性疾患との病態の違いについて評価すること。*目的については当初から変更なし。 2. 研究実施計画 患者検体を収集しフローサイトメトリーにより免疫担当細胞数を測定する:対象は未治療の若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス、皮膚筋炎、シェーグレン症候群および川崎病患児とする。患者の検体を安定して収集するために、山口大学医学部附属病院だけではなく国内の小児リウマチ専門医が在籍する小児科に協力を依頼し、継続的な検体収集システムを確立させる。検体は末梢血および関節液 (貯留時のみ)をグルココルチコイド 、免疫抑制薬、生物学的製剤、免疫グロブリンによる(1)治療前、(2)治療後、(3)寛解時の3ポイント、再燃時にも同様の3ポイントで採取する。免疫担当細胞数の測定は8カラーフローサイトメトリーを用いる。免疫担当細胞のマーカーはCD3, CD4, CD8, CD11c, CD14, CD16, CD19, CD20, CD25, CD27, CD38, CD45RA, CD45RO, CD56, CD69, CD123, CD127, CCR4, CCR6, CCR7, CXCR3, CXCR5, ICOS, IgD, HLA-DRを用いる。*実施計画については検体収集システムおよび免疫担当細胞数の測定系を確立した。現在、解析を進めている。
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