研究実績の概要 |
膠原病に対してプレドニゾロン(PSL) 0.5mg/kg/日以上を含めた寛解導入療法を行う189症例を前向きにエントリーし、データ欠損のない157症例を解析対象とした。昨年度得られた臨床情報の解析については論文投稿中である。血清保存の得られた95例(CMV-IgG陰性11例、CMV-IgG陽性84例)について、CMV表面抗原に対する抗体の検出を行った。293T細胞にCMV表面抗原であるgM/gN, gB, gH/gL/gO, gH/gL/UL128/UL130/UL131Aをそれぞれトランスフェクトし、患者血清を1次抗体、抗ヒトIgGを2次抗体として用いてFACS解析を行うことで、各症例におけるCMV表面抗原に対する抗体を検出した。CMV-IgG陽性84例は、CMV-IgG陰性11例と比較してgM/gN, gB, gH/gL/gO, gH/gL/UL128/UL130/UL131Aの全てに対する抗体が有意に検出された。しかし、CMV-IgG陽性84例のうち、CMV再活性化なし48例とCMV再活性化あり36例とを比較しても、gM/gN, gB, gH/gL/gO, gH/gL/UL128/UL130/UL131Aのいずれの表面抗原に対する抗体においても有意差を認めなかった。膠原病に対する免疫抑制療法中のCMV再活性化には、液性免疫の重要性が低い可能性があり、細胞性免疫がより重要であることが想定される。
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