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2020 年度 実施状況報告書

膠原病における寛解導入療法中のサイトメガロウイルス再活性化に関する前方視的研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K17915
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

太田 裕一朗  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80773051)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード膠原病 / サイトメガロウイルス / 再活性化 / サイトメガロウイルス抗原血症
研究実績の概要

膠原病に対してプレドニゾロン(PSL) 0.5mg/kg/日以上を含めた寛解導入療法を行う189症例を前向きにエントリーし、データ欠損のない157症例を解析対象とした。昨年度得られた臨床情報の解析については論文投稿中である。血清保存の得られた95例(CMV-IgG陰性11例、CMV-IgG陽性84例)について、CMV表面抗原に対する抗体の検出を行った。293T細胞にCMV表面抗原であるgM/gN, gB, gH/gL/gO, gH/gL/UL128/UL130/UL131Aをそれぞれトランスフェクトし、患者血清を1次抗体、抗ヒトIgGを2次抗体として用いてFACS解析を行うことで、各症例におけるCMV表面抗原に対する抗体を検出した。CMV-IgG陽性84例は、CMV-IgG陰性11例と比較してgM/gN, gB, gH/gL/gO, gH/gL/UL128/UL130/UL131Aの全てに対する抗体が有意に検出された。しかし、CMV-IgG陽性84例のうち、CMV再活性化なし48例とCMV再活性化あり36例とを比較しても、gM/gN, gB, gH/gL/gO, gH/gL/UL128/UL130/UL131Aのいずれの表面抗原に対する抗体においても有意差を認めなかった。膠原病に対する免疫抑制療法中のCMV再活性化には、液性免疫の重要性が低い可能性があり、細胞性免疫がより重要であることが想定される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

症例登録は順調に経過している。臨床情報に対する統計解析は終了し、論文化を目指している。探索的項目については血清が保存できた症例において、CMV中和抗体に関する解析
を行い、想定とは異なる内容ではあるが結果を得られている。概ね順調な進展と考えている。

今後の研究の推進方策

CMVに対する防御機構として、膠原病における寛解導入療法中では液性免疫の重要性が低い可能性があり、今後は細胞性免疫に注目した検討を行う予定である。CMVテトラマーを用いたCMV特異的CD4,CD8の検出系の検討を健常人を対象として行いつつ、CMVテトラマーは凍結検体での検討が不可能であるため、新規の前向きコホートを立ち上げる予定である。

次年度使用額が生じた理由

研究に必要な研究資材などを購入するのには残金では購入が出来ず、2021年度の研究費と合算して使用する方が合理的と判断したため。直接経費のうち物品費に充当する予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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