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2019 年度 実施状況報告書

Orientia感染症の世界分布解明へ向けた多価リケッチア血清検査法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K17930
研究機関長崎大学

研究代表者

阪下 健太郎  長崎大学, 熱帯医学研究所, 客員研究員 (30838280)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワードOrientia感染症
研究実績の概要

Orientiaの多様な抗原を柔軟に組み入れることのできる血清検査系の開発を試みた。
本研究の目的は、
①我が国で開発され、実績のあるImmunoperoxidase (IP)技術を用いた多価リケッチア(Orientia感染症)血清検査法を進化させ、Orientiaの地域特異的な抗原多様性に最適化が可能な次世代血清検査系を開発すること
②北ベトナムのバクマイ病院感染症病棟にて実施された非マラリア熱性疾患前向き研究由来の保存検体を用いて、北ベトナムのOrientia株由来のTSA抗原を組み込んだ血清検査を①の手法を用いて立ち上げ、同地域の血清臨床疫学を再検討することである。
今年度は、①の達成を目的に、リケッチア特異的膜蛋白質TSAを安定発現する細胞株の作成に着手した。6種類の株のうち北ベトナムで多いとされる株についてまず実験を開始した。目的遺伝子を発現するレンチウイルスベクターを構築し、安定発現株を作成できた。蛍光顕微鏡を用いて簡便に発現を確認できるように、エンドソームに局在するシグナルペプチドを加えて実験を行なっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Orientia国際標準株Karp, Kato, Gilliam由来および国内で用いられているIrie, Hirano, Shimokoshi株由来のDNAから、直接TSA抗原のクローニングを試みたが、いずれもPCRで増幅されず、プライマー領域の配列の違いが予想された。よって、人工遺伝子を用いて、レンチウイルスベクターにクローニングする方法に変更し、C末にTagをつけたベクターも構築することができた。これを用いて、蛋白質レベルで標的細胞で発現することを確認できた。このように当初予定していた研究方法を変更したため、やや遅れている。

今後の研究の推進方策

今後はまだクローニングを行なっていない株のp56kDa type specific antigen (tsa)遺伝子をクローニングし、レトロウイルスベクターを用いて、これらをL929細胞などの不死化細胞へ導入し、p56kDaツツガムシ特異的抗原(TSA)を安定的に発現する細胞ラインを作製する。その際、TSA抗原に局在シグナルペプチドを加えることで、TSA抗原をゴルジ体・核・ミトコンドリアなどへ局在化させ、染色後の判読を容易にする工夫を加える。

次年度使用額が生じた理由

クローニングの点で実験が遅れたことにより次年度使用が生じた。人工遺伝子を用いた実験では発現を確認できているので、今後は他の株もその方法を用いて進めていく。

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公開日: 2021-12-27  

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