本研究では異なるワクチンの接種により異なる抗体レパトアが誘導されることを示したが、抗体可変領域の遺伝子配列を抗体の機能と結びつける上には、それぞれの抗体クローンがどのようにして抗原と結合しているかという構造的観点からより詳細な解析を行なっていく必要があることが今後の課題として明らかとなった。一方で、本研究で得られた交叉反応性抗体クローンと過去に報告されている広域中和抗体クローンとでその遺伝子配列に類似点が認められたことから、抗体遺伝子配列からその機能を予測し、さらに抗体遺伝子レパトアからワクチン有効性を評価することが将来的に不可能ではないことが示唆された。
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