予備実験より、高血圧症の発症機序にステロイド代謝物と腸内細菌叢の関与が疑われた。そこで我々は一般住民242名を対象に、腸内細菌叢の構成と高血圧有病率を比較し、Bifidobacterium属などの存在比の低い腸内細菌叢を持つ群は、低食塩摂取でも高食塩と同等の高血圧有病率であることを示した。特にB. bifidumやB. Breveとの関連が強い傾向にあり、IL-17などのサイトカインとの関連が強く、ステロイドメタボロミクス解析の結果、いくつかのミネラロコルチコイドとの関与が示唆された。さらなる食塩感受性高血圧発生機序を解明のためにメタゲノム解析や動物モデへの移植実験を追加予定である。
|