本研究ではSTZ誘発糖尿病マウスモデルおよび膵β細胞株MIN6を用いて、rhTM投与による耐糖能および膵β細胞のアポトーシスに対する効果を検討した。STZ誘発糖尿病マウスにおいて、rhTMの投与群では非投与群と比較して、腹腔内ブドウ糖負荷60分後のに血糖値が有意に抑制され、ブドウ糖負荷前および負荷30分後の血中インスリン濃度が有意に高かった。また膵組織において、rhTM投与群ではSTZ投与による膵島面積の減少が有意に抑制され、インスリン・グルカゴン2重染色ではrhTM非投与群と比較し、インスリン陽性面積が保たれ、グルカゴン陽性面積が小さかった。TUNEL染色ではrhTM投与群において膵島内のアポトーシスが抑制されていた。また、膵β細胞株MIN6において、rhTM投与により、STZに誘発されるアポトーシスが有意に抑制された。以上の結果から、外因性rhTMの投与は膵β細胞を抑制し、糖尿病に保護的に働くことが示され、新規糖尿病治療薬としての有効な可能性が示唆された。
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