糖尿病人口は世界中で爆発的に増え続け、糖尿病有病者数は世界で4億人以上といわれており、医療経済的にも問題となっている。糖尿病の主な型のうち、1型糖尿病は自己免疫的要因により膵β細胞が選択的に破壊され発症する。2型糖尿病は生活習慣などの環境因子と遺伝因子が関与し、インスリン抵抗性とインスリン分泌不全により発症する。いずれの型の糖尿病においても、β細胞のアポトーシスは糖尿病の病態進展の主要な機序であると考えられているが、それを抑制する有用な治療法は確立されていない。本研究成果はトロンボモジュリンのβ細胞保護および抗糖尿病効果を示すものであり、糖尿病の進展抑制につながる有意義な研究である。
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