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2020 年度 実施状況報告書

単一細胞解析を基盤にしたアルドステロン合成機構の解明と創薬標的因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 19K17964
研究機関広島大学

研究代表者

一町 澄宜  広島大学, 病院(医), 助教 (00805666)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード原発性アルドステロン症 / 高血圧
研究実績の概要

アルドステロン産生腺腫(APA)による原発性アルドステロン症と診断した患者より摘出した副腎腫瘍検体から腫瘍細胞を分離し、KCNJ5 L168R変異が同定された副腎腫瘍細胞検体について、Fluidigm C1 Single-Cell Auto Prepシステムを用いてシングルセル解析を行った。96細胞中cDNA増幅が得られた22検体において、DNAシークエンス(遺伝子変異検索)とRNAシークエンス(遺伝子発現解析)を行い、KCNJ5変異APAにおけるKCNJ5変異をもたない細胞 (wild type)でのアルドステロン合成機構に関わる鍵因子の検討を行い、最も有意に発現が変動していた候補因子Aを選抜した。現在、候補因子AのAPA組織における蛋白発現の局在を検討するため、KCNJ5変異およびその他既知の遺伝子変異をもつ、あるいは既知の遺伝子変異もたないAPAにおける免疫組織染色を行っている。さらに、アルドステロン合成に関わる細胞接着因子の機能解析 (In vitro解析)を行うため、副腎皮質癌細胞株(HAC15)においてレンチウイルスを用いた遺伝子発現調節を検討している。上記解析にて候補因子Aがアルドステロン合成に関わる細胞接着因子として有望であれば、レニンアンギオテンシン系が亢進した高アルドステロン血症モデルラットに拮抗薬や阻害薬を用いて細胞接着因子を調節し表現型を解析することで、アルドステロン合成に関わる詳細な機序を検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

シングルセル解析に必要な充分なクオリティのサンプルを用意することに難渋し候補因子の同定に時間を要したが、現在は多層的オミクス解析を行い候補因子Aを同定している。今後は候補因子Aの発現解析およびin vitro、in vivoにおける機能解析を行う予定である。

今後の研究の推進方策

1. シングルセル解析を用いた遺伝子変異の有無による遺伝子発現量の同定とアルドステロン合成に関わる候補接着因子の同定と発現解析
候補因子AのAPA組織において免疫組織化学により蛋白発現の局在を確認する。KCNJ5変異または他の遺伝子変異をもつAPAにおける蛋白発現を比較検討する。
2. アルドステロン合成に関わる細胞接着因子の機能解析 (In vitro解析)
候補因子AのHAC15または摘出標本の初代培養細胞におけるステロイド合成酵素やアルドステロン合成に与える影響を、レンチウイルスによる遺伝子発現調節、拮抗薬や阻害薬を用いて検討する。また、細胞間情報伝達の活性化は、mRNA発現と蛋白発現の差を比較することによっても明らかとなり、qPCRやウエスタンブロッティングを組み合わせて行う。
3. 細胞接着因子調節を調節した動物モデルの表現型解析 (In vivo解析)
Splague-Dawley ratを低ナトリウム食で飼育することにより、レニン・アンギオテンシン系が亢進した高アルドステロン血症のモデルラットを作製し、細胞間情報伝達を阻害する化学物質の投与を行い表現型に与える影響を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Update on Genetics of Primary Aldosteronism2021

    • 著者名/発表者名
      Itcho Kiyotaka、Oki Kenji、Ohno Haruya、Yoneda Masayasu
    • 雑誌名

      Biomedicines

      巻: 9 ページ: 409~409

    • DOI

      10.3390/biomedicines9040409

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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