研究実績の概要 |
本研究は骨格筋萎縮においてlet-7クラスターの発現が低下するという独自知見に基づき、let-7が筋組織の糖取り込みを調整するという着想から実施する研究である。現在は筋管細胞でのlet-7e発現亢進がglut4の遺伝子発現を制御し糖取り込み能を高めるかどうかの細胞実験の進行中である。 マウス筋芽細胞C2C12にlet-7eの遺伝子導入を行い、各時点でRT-PCRにて遺伝子発現を確認。let-7eの発現を確認したのちにglut4およびgapdhをTaqman real-time PCR assayに定量し評価中である。同時にATP活性をBerthold Detection Systems Orion Lで測定している。また、グルコース取り込み能、タンパク合成能をも算出中である。細胞内シグナルとしてインスリン(100ng/ml)刺激を実施し、刺激前、刺激後、0.5, 1, 2, 6, 12, 24時間後に細胞抽出物を回収し、ウエスタンブロット法によりpAkt, Akt, p4EBP1, 4EBP1, pS6K, S6K量を定量的に測定中である。 細胞レベルでのlet-7eの発現が糖取り込み能の調整と関連していれば、サルコぺニアにおける糖取り込み能低下の一要因と考えられる。in vitro/in vivoでの検証を経てlet-7が2型糖尿病に対する核酸医薬品となりうる可能性を提示できると考えている。
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