研究課題/領域番号 |
19K17973
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
綿貫 裕 弘前大学, 医学部附属病院, 助教 (60782795)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 視床下部 / 下垂体 / 副腎 |
研究実績の概要 |
当初からシグナル伝達機構を検討予定だった5つの蛋白のうち、特にGDF15について、文献上は肝での合成が主であることが確認されていた。そのためヒト肝細胞癌由来の細胞であるHepG2細胞とHuH7細胞の培養環境の構築を開始した。その中でHepG2細胞の継代における細胞量確保に不安定性が確認された。そのため現在は、HuH7細胞での分子学的機構を評価、検討中である。具体的にはHuH7細胞に対してGDF-15を投与することで、視床下部-下垂体-副腎系の種々の構成要素のmRNA発現の変化について検討を行った。その結果に応じて蛋白量の変化やそれぞれの阻害剤投与、siRNAなどを用いて更に詳細なシグナル伝達機構を検討する予定である。また予備的実験として炎症性サイトカインとGDF-15発現との関連を、IL1β、IL6、TNFαを投与してルシフェラーゼアッセイで確認した。3者の中ではIL1β投与でGDF-15活性の上昇が顕著に確認された。これらサイトカインとGDF-15との動態についても並行して検討していく。 また従来より当研究室で使用していた、視床下部由来4B細胞を用いてHDAC-6とストレス応答系との関連を検討した。具体的には同細胞にHDAC-6 Luc を形質転換してステロイド(デキサメタゾン)を投与し、活性の変化を検討した。結果としてはHDAC-6活性は十分量のステロイド投与によってもその変化は確認されなかった。他蛋白についても同様の研究を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
病院業務の内容が増えたことに伴い、研究に割く時間の確保が当初予期した状態より困難であるため。
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今後の研究の推進方策 |
上述の通り引き続きGDF15以外の、Rasd1を始めとした蛋白についての視床下部ー下垂体ー副腎系への影響とその分子学的機構を検討する予定である。GDF-15に関しては炎症性サイトカインとの関連も含めた研究を考慮する。
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次年度使用額が生じた理由 |
試薬などを購入するために十分な残金がなかったため余剰が発生した。次年度に繰り越し、実験試薬や消耗器具の購入や旅費に充てる予定である。
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