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2023 年度 実績報告書

高次脳機能評価に基づく成長ホルモン補充療法の効果判定と補充療法適応指針の作成

研究課題

研究課題/領域番号 19K17987
研究機関広島大学

研究代表者

木下 康之  広島大学, 病院(医), 講師 (90750993)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード成長ホルモン補充療法 / 高次脳機能 / 成長ホルモン分泌不全症
研究実績の概要

成長ホルモン(GH)補充は13人の患者に施行し、1年間の観察期間を終えた9人について解析した。
被験者の微細な指の動きのデータが収集可能であるJoust Tapは、GH補充後の患者において微細な指の運動能力の向上、精密性の向上が見られた。さらに指先の微細な動きの指標であるtap intervalとIGF-1 (SD score)において相関性があることが示された。したがって、Joust Tapは重症GH分泌不全症患者における、客観的な指標としての補充効果判定に使用できることが示された。また補充した患者を補充によって元気が出た、やる気が出た等の実感の有無で分類したところ、実感のある患者は比較的年齢が高い患者に多かった。興味深いことに、Joust Tapにおける総合得点においてこの2群の補充前後の総合得点における改善率に差はなかったが、運動量の改善率は実感のある患者に多く、リズムの改善率は実感のない患者に多いという差異が見られた。実感がない患者も客観的データで改善率を示すことが可能であった。
Joust Tapに関して、遂行時間はGH補充による改善は見られなかった。一方でタスク遂行中の指の動きを解析すると、補充前後で変化が見られた。
Just TouchやJust Tapのデータは集中力や注意力とも相関することが広島大学工学研究科の研究で報告されており、工学研究科と連携を取り、上記結果について、詳細な数値解析をすすめている。
また残る補充中の4患者も半年で観察期間が終了するため、適宜解析を加え、結果に追加する。
まとめると、これまでGH補充の精神的な影響や極めて微細な高次脳機能の変化は客観的な評価が困難であったが、Joust TouchやJoust Tapを組み合わせることで、GH補充による良い影響を可視化することが可能である。今後、残る4人の解析が済み次第、学会発表と論文作成を行う予定である。また本研究に関連する研究として9本の欧文論文を作成した

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Optic tract edema in craniopharyngioma as a predictor of BRAFV600E mutation presence2023

    • 著者名/発表者名
      Taguchi Akira、Kinoshita Yasuyuki、Kojima Masato、Amatya Vishwa J、Tominaga Atsushi、Takeshima Yukio、Arita Kazunori、Hiyama Eiso、Yamasaki Fumiyuki、Horie Nobutaka
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Clinical Oncology

      巻: 53 ページ: 378~385

    • DOI

      10.1093/jjco/hyad003

    • 査読あり

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公開日: 2024-12-25  

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