糖尿病患者は心血管疾患のみならず、骨粗鬆症や骨折リスクが高いことが問題である。糖尿病で特徴とされる低回転型の骨代謝異常のメカニズムとして、グリコールアルデヒド由来AGEのIL-10産生を介したヒト単球から破骨細胞への分化作用が関与している可能性が示され、AGEの新たな分子基盤が明らかにされた。また糖尿病患者の高AGE血症と低回転型の骨代謝異常との関連が示唆された。 現在の高齢社会において糖尿病、骨粗鬆症患者が増加し続けることで今後さらに医療費が増大することが予想される。糖尿病患者の高AGE血症をターゲットとした治療法の確立が、糖尿病のみならず糖尿病性骨粗鬆症に対しても有用となることが期待される。
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