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2019 年度 実施状況報告書

糖尿病性神経障害を軽減させるコンドロイチン硫酸合成抑制の作用機序解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K18001
研究機関新潟大学

研究代表者

石黒 創  新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (10826283)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2021-03-31
キーワード糖尿病性神経障害 / ペリサイト / コンドロイチン硫酸
研究実績の概要

本研究では当初、T1KOマウスは糖尿病による高血糖状態でも、野生型マウスに比べて、神経細胞内の糖濃度が上昇せず、糖尿病性神経障害の進行が抑制される、という仮説の検証を中心に検討を行った。
具体的にはまず、T1KOマウス、野生型マウスともに、ストレプトゾシンを投与した糖尿病群、およびプラセボを投与した対照群を用意し、一定期間飼育した。その後、①2-デオキシグルコースを用いた神経細胞における糖取り込み能(In vivoおよびIn Vitro)の検討、②神経組織から蛋白を抽出しグルコーストランスポーター蛋白の発現量の解析、③神経細胞を摘出し、高血濃度培地を用いて培養した上で、神経細胞の生存率や神経突起の伸長の測定、そして④外注検査による神経細胞のメタボローム解析を用いて、細胞内のグルコースおよびその代謝産物の解析、といった項目を検討したが、明確な有意差は認めなかった。
そこで現在は、神経の血管周囲のペリサイトに着目をしている。糖尿病では血管周囲のペリサイトの機能異常を認め、血管透過性の亢進などを引き起こし、神経障害を惹起する一因となっている。ペリサイトにはコンドロイチン硫酸(NG2)が発現しているため、T1KOマウスではそのペリサイトの機能の変化が生じている可能性が高い。それが糖尿病神経障害を抑制する作用があると考えた。
その検討のために、現在は、蛍光色素をマウスに静注することによる血管透過性の検討や、ペリサイトの抗体をマウスに投与してペリサイトの機能に差異があるか、またNG2のウエスタンブロッティングや免疫染色などを検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上述のように、当初は神経細胞の糖の取り込みに着目して様々な検討を行ったが、検討範囲では有意な差は認めなかった。したがってその分少々時間を費やしてしまったが、現在はペリサイトに着目して検討を行っている。プレリミナリーながら有意差をみとめるデータを得られつつあり、今後は研究が順調に進行することが期待できる

今後の研究の推進方策

ペリサイトの機能を中心に検討をおこなっていく。
具体的には、蛍光色素をマウスに静注することによる血管透過性の検討や、ペリサイトの抗体をマウスに投与してペリサイトの機能に差異があるか、またNG2のウエスタンブロッティングや免疫染色をおこなう。また、神経伝達速度の測定も予定している。

次年度使用額が生じた理由

金額が中途半端であり、実験に必要な試薬の購入には不足していた。翌年度に、各種抗体などの試薬を購入するため、その費用の一助とする予定である。

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公開日: 2021-01-27  

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