研究課題/領域番号 |
19K18003
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
米谷 充弘 金沢大学, 附属病院, 准教授 (80613752)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 機能性副腎腫瘍 / 遺伝子解析 / DNAメチル化解析 / 原発性アルドステロン症 |
研究実績の概要 |
本研究では機能性副腎腫瘍におけるステロイドホルモン過剰産生および腫瘍発生・進展機構に関して、エピジェネティク制御に着目して明らかにする。さらにゲノム・エピゲノム解析と臨床情報、画像情報を統合して、新たな機能性・良悪性の診断法の確立につなげる。2021年度はKCNJ5やPRKACAといった機能性副腎腫瘍に高頻度に変異が見られる遺伝子をターゲットとして、次世代シーケンサーを用いて解析を実施した。次世代シーケンサーでの解析により、副腎腫瘍に関してこれまで報告歴のある17遺伝子を対象として解析を実施した。結果として、機能性副腎腫瘍80例と非機能性副腎腫瘍13例の解析を実施した。機能性副腎腫瘍の中で、原発性アルドステロン症おいて67%、クッシング症候群において77%、褐色細胞腫において45%の症例でターゲットとした遺伝子の一つに変異を認めた。この結果は、各々の腫瘍において約30-50%にまだ未知の遺伝子変異を有している可能性を示唆している。また報告例のある複数の遺伝子変異を認める症例はなく、また同時に解析した非機能性副腎腫瘍には解析遺伝子には変異を認めなかった。この解析の中で大変興味深いことに、これまでに報告がある遺伝子ではあるが変異部位がこれまでに未報告である症例やホルモン産生特異的な遺伝子変異とホルモン過剰産生が一致していない症例が見出された。これらは新たな知見であ り、2022年度以降に報告を予定している。また、遺伝子変異とエピゲノム異常の関連に関して評価するために、すでに確立しているパイロシークエンス法を用いた手法で解析していく準備を進めている。2021年度は副腎腫瘍に関して、筆頭著者として国際誌へ2報の論文報告を行い、今年度も原発性アルドステロン症を中心とした臨床論文2報を責任著者として国際誌に報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マイクロアレイ法を用いら全ゲノムのDNAメチル化解析に関して、DNA抽出に関して、本手法の実施・解析のためのQualityを得ることが困難であったため、これまでの解析実績のあるパイロシークエンス法に切り替えざるを得なかった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度中に、次世代シーケンサーを用いた遺伝子解析とエピゲノム解析が終了し、その結果の関連および臨床所見、画像所見との関連性の評価を行い、AIを用いた新たな診断法の確立に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
マイクロアレイによるDNAメチル化解析を実施する予定で、そのための費用を予定していたが、解析のための十分なクオリティのDNAが得られず、実施を断念したため、研究が遅延し、次年度使用額が出ることとなった。次年度は最終年度として、これまでの基礎研究および臨床研究で得られた結果を統合し、その費用に研究費を用いる。
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