研究課題/領域番号 |
19K18012
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山田 穂高 自治医科大学, 医学部, 講師 (70807247)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 糖代謝 / 尿細管 / 神経ネットワーク |
研究実績の概要 |
野生型(C57B6マウス)及び糖尿病病態モデルであるdb/dbマウスに普通食(MF)とエンパグリフロジン混餌投与を行って、10週間飼育した。薬剤の腎作用を検証するために、両側腎の除神経手術を行った。また薬理学的アドレナリン受容体遮断を行う目的で、ヨビンビンを用いた。腎除神経群ではdb/dbマウスに比して経腹腔的ブドウ糖負荷(ipGTT)での耐糖能を改善した。ヨヒンビンの前投与も同様にipGTTでの耐糖能を改善した。血中カテコラミン、インスリン、グルカゴン、インクレチン等はB6マウス、db/dbマウス、db/dbマウス+エンパグリフロジン、db/dbマウス(除神経)群間で差を認めなかった。免疫組織学的検討では、SGLT2阻害薬の投与で10週後の腎TUNEL染色陽性細胞数の減少を認めた。腎糸球体病変への影響は認められなかった。心筋組織の組織学的検討(マッソントリクローム染)では、SGLT2阻害薬の投与は線維化面積に有意な影響を与えなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
除神経手術は非常に手技習得に時間がかかり、途中死亡マウスもあり、目標n数に到達しなかった群もある。また育児、介護の問題で十分な研究時間を取れなかった期間があった。したがって全体の進捗状況は「やや遅れている」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
安定的に手術後の生存マウスが得られるようになればさらにサンプル数を増やして検証できると考える。動物実験手技のトレーニングを継続的に行う必要がある。動物実験は継続し、安定的に全体のテーマに沿った実験が進められるように、in vitroの実験も併せて行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験手技習得に時間がかかり、途中死亡マウスもあり、目標n数に到達しなかった群もある。実験が遅延した影響で、当初予定していた実験を終えることができず、当初予定した経費の計上に至らなかった。安定的に手術後の生存マウスが得られるようになればさらにサンプル数を増やして検証できると考えている。また動物実験と併行して、当該実験テーマの実験を進めるため、in vitroの実験を行うこととしている。遺伝子解析はマイクロアレイ解析などを用いて、広く解析を行い、研究時間の短縮、効率化を図る。
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