研究課題/領域番号 |
19K18012
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
山田 穂高 自治医科大学, 医学部, 講師 (70807247)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 臓器間ネットワーク / 糖尿病合併症 / 尿糖排泄 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、腎組織の解析を中心に行た(野生型、糖尿病モデルマウス)。腎組織のアポトーシスをTUNEL染色で評価した。徐神経群、SGLT2阻害薬介入群では無介入の糖尿病モデルマウスに比して腎集合管と考えられる細胞のTUNEL陽性細胞が減少していた。 蛋白尿も介入群で減少傾向にあった。近位尿細管のSGLT2の発言は野生型に比して糖尿病モデルマウスで増加しており、各種アドレナリン受容体発現(mRNAレベル)も増加していた。しかし、薬剤介入群と非介入群間でのSGLT2の発現、アドレナリン受容体のmRNA発現には差異はなかった(糖尿病モデルマウス間で比較)。 マウス単離近位尿細管細胞において、高グルコース(22.4mM glucose)培養は低グルコース(2.8mM glucose)培養に比して、SGLT2のmRNA発現が上昇していた。SGLT2阻害薬エンパグリフロジン前投与でも高グルコース培養におけるSGLT2の発現レベルに変化は見られなかった。アドレナリンの添加は高グルコース培養下におけるSGLT2の発現を上昇させ、アドレナリン受容体遮断薬の投与でこのSGLT2発現の上昇は抑制された。protein kinase A阻害薬、細胞膜透過性cyclic adenosine monophosphate(dibutyryl cAMP)の投与の有無はSGLT2発現レベル(22.4mM glucose)に影響を与えなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床エフォートの増加と、COVID感染症にともなう研究室使用のregulationによる。また他の併行して行っている実験の論文Reviseに伴う追加実験従事も影響した。現状環境の大きな変化はなく「やや遅れている」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
臨床エフォートの増加の低減は困難と考えられるため、遂行可能な計画に変更し研究を継続する。具体的には、遺伝子検査の外部受託の活用や、細胞培養系での実験系への変更を計画している。Vitroの系をある程度組み込むことで研究課題の実験を進展できると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
感染症の影響、臨床エフォートの増加で研究実施に遅延が生じ、繰越手続きを行った。臨床エフォートの増加の低減は困難と考えられるため、遂行可能な計画に変更し研究を継続する。具体的には、遺伝子検査の外部受託の活用や、細胞培養系での実験系への変更を計画し、可能な実験を遂行する。
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