研究課題
野生型(C57B6マウス)及び糖尿病病態モデルであるdb/dbマウスに普通食(MF)とエンパグリフロジン混餌投与を行って、10週間飼育したマウスの未解析サンプルの解析を実施した。腎組織では除神経群で腎TUNEL染色陽性細胞数の減少を認めたが、集合管において認められ、近位尿細管では明らかな差異が見られなかった。DPP-4阻害薬はdb/dbマウスの10週後の耐糖能(2g/body OGTT)をほとんど改善しなかったが、SGLT2阻害薬は改善した。除神経による短期的な耐糖能改善はみられたが、長期的には腎合併症に有意な影響は与えず、より長期飼育が必要と考えられた。糖尿病自然発症モデル動物としてGoto-Kakizakiラットを用いた実験を継続した。グルコース刺激に対するTRPM2の電流密度が糖尿病発症で低下していたため、TRPM2のオープナーとしてimegliminを投与した。Imegliminが膵β細胞のNAD+産生増強を介してグルコース濃度依存性インスリン分泌を促進していた。TRPM2ノックアウトマウスで、TRPM2阻害薬はimegliminのグルコース濃度依存性インスリン分泌が抑制された。野生型ラットより採取した単離膵β細胞においてimegliminは非選択的カチオンチャネル電流を増加させ、TRPM2ノックアウトマウスでimegliminはその増加は見られなかった。腎交感神経活性化→腎SGLT2機能制御の系により糖尿病状態の糖代謝が影響を受ける事、腎細胞アポトーシスによる腎障害が引き起こされるとこ、imeglimin→NAD代謝(膵β細胞)→インスリン分泌経路の存在が示唆された。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件)
Diabetes, Metabolic Syndrome and Obesity
巻: 2023 ページ: 1043-1054
10.2147/DMSO.S403125
J Diabetes Investig. 2022 Jan;13(1):34-41.
巻: 13 ページ: 34-41
10.1111/jdi.13669.
BMC Endocr Disord
巻: 22 ページ: 110
10.1186/s12902-022-01024-4.
Diabetes Ther
巻: 13 ページ: 1779-1788
10.1007/s13300-022-01313-0.