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2020 年度 実施状況報告書

患者由来同所性異種移植(PDOX)モデルを用いた神経芽腫難治性メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 19K18022
研究機関千葉大学

研究代表者

秦 佳孝  千葉大学, 大学院医学研究院, 特任研究員 (90815094)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードPDX / 神経芽腫 / がん幹細胞
研究実績の概要

神経芽腫は主に副腎を原発臓器とする小児悪性固形腫瘍のひとつであり、進行神経芽腫は集学的治療により約7割が寛解となるが、その約半数は再発をきたし難治となる。
本研究では進行・再発神経芽腫の難治性獲得の分子遺伝学的メカニズムを解明するため、患者由来同所異種移植モデル(Patient-Derived Orthotopic Xenograft,以下PDOX)を作成・解析する。
前年度までに神経芽腫細胞株を用いた同所移植実験によりマウス副腎への腫瘍生着を得たが、患者由来腫瘍細胞の懸濁液では副腎周囲脂肪識内のスペースに限りがあるため必要な細胞数を播種することができず、生着には至らなかった。
2020年度は、患者由来腫瘍細胞をNeurosphere形成法によりprimary cultureを行い、得られたsphereを用いて移植実験を行った。手術によって得られた神経芽腫患者の生検検体(10歳、stage M、MYCN非増幅)を1-2mm角となるよう破砕し、sphere culture methodにより1週間培養した。これによって得られたsphereを顕微鏡下に回収し、20-30個/10μlとなるようマトリゲルに混濁した。5週齢のNOD/ShiJic-scidマウスを麻酔下に開腹し、副腎周囲脂肪織内に直視下に細胞混濁液を穿刺注入した。移植マウスは術後28週で死亡するまで腫瘍の発生は見られず、死亡後の解剖でも副腎に腫瘍の発生は認めなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

患者由来腫瘍細胞では腫瘍細胞の増殖能力が低く、生着が叶わなかったため。また、新型コロナ流行の影響もあり、生検検体の移植実験の機会が得られなかった。

今後の研究の推進方策

今後は、継代培養可能となった患者由来腫瘍細胞のsphereを用いて同様の実験を行い、腫瘍の生着を目指す。継代培養によって純粋な患者由来腫瘍細胞と性質が異なっているため、網羅的解析によりその差を明らかにすることを並行して行う。

次年度使用額が生じた理由

当初の計画よりも研究がやや遅れたため、本来使用するはずであった次世代シーケンサー関連試薬の購入をしなかった。これに関しては次年度に繰り越して購入予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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