研究課題
現在までの研究結果により更に治療としての侵襲を加えうる基礎的な外科侵襲モデルマウスが作成できた.この外科侵襲モデルマウスについて臓器障害の状態を病理学的に評価するなど多角的に評価を行った。また,並行して,未だ実臨床で未解明である適切な外科的介入の時期・方法について検討を行うのに加え,成獣と比較して新生仔に特有の免疫状態が存在するかも検討した。結果、免疫学的に早産児相当とされる早産児腹膜炎モデルマウスでは、腹膜炎発症後の死亡が24時間以内の急性期に起こること、さらに成獣腹膜炎モデルマウスでは有意な上昇を来すIL-12、IFN-γが上昇しないことを突き止めた。TNF,IL-6,MCP-1,IL-10は有意な上昇を認めたが,IL-12,IFN-γは産生量が著しく低下していた(n=7~8).* p<0.05これら超急性期のIL-12とIFN-γの反応性低下は早産児特有の自然免疫系、獲得免疫系の未熟性に伴うものと推測し、その主たる役割の一つとして腹腔マクロファージの関与が推測された。以上の結果をまとめたものを欧文誌に投稿中である。今回得た知見をもとに、早産児腹膜炎における腹腔マクロファージの機能や免疫応答の仕組みの解明を進めるとともに、腹腔ドレナージモデル作製・腹腔内洗浄効果など複数の研究を継続している。
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Journal of Clinical Medicine
巻: 10 ページ: 5823~5823
10.3390/jcm10245823