EGF受容体family分子であるHER2を高発現するHER2陽性乳癌は乳癌の約15%を占める悪性度の高い乳癌である。本研究では申請者の研究チームが独自に見出したHER2陽性乳癌細胞の細胞増殖を正に制御するCUL3/KCTD10/RhoBユビキチンリガーゼ複合体に注目し、その細胞増殖制御機構の解明と、当該分子基盤に対する制御剤の探索を行った。その結果、HER2陽性乳癌細胞の細胞膜形態変化と細胞増殖に必須なRhoB結合タンパク質の同定に成功した。更に、アルファスクリーンを用いて、CUL3とKCTD10の結合を阻害する化合物を複数同定することに成功した。
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