当院にてトリプルネガティブ乳癌の術前化学療法を施行した検体を用いて,ZEB1遺伝子が化学療法抵抗性や予後と関わるかを検証した.2006年~2013年に当院で術前化学療法を施行し手術を行った乳癌385例のうち,針生検組織の免疫染色が可能であったトリプルネガティブ乳癌46例を対象とした.針生検組織および手術検体を用いてZEB1の免疫染色を行い,化学療法抵抗性や予後との関連性を検討した.染色強度が強い方(2+以上)が,化学療法奏効度が高い(病理学的奏効度2以上である)傾向であった(p=0.0202).ZEB1の染色強度と再発の有無で明らかな関連性は見られなかった.
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