シスプラチンは放射線増感効果を持つことが知られている。また、PIポリアミドは核DNA に配列特異的に結合する。PIポリアミドを用い、cisplatinをはじめとしたプラチナ製剤の抗腫瘍作用の場である腫瘍細胞の核内へ、効率的に抗腫瘍薬を誘導することで、より強力な抗腫瘍効果を得ることが可能となる。 非特異的遺伝子配列を標的としたPIポリアミドの核内移行性の高さを利用し、シスプラチン類似白金錯体とPIポリアミドを結合させた化合物(PIP-Pt)を神経芽腫細胞株に添加し、その放射線増感効果および抗腫瘍効果を検討した。その結果PIP-Pt添加群で放射線増感効果が確認された。
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