研究課題/領域番号 |
19K18052
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡本 竜弥 京都大学, 医学研究科, 助教 (70767293)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 虚血再灌流障害 / 高分子ミセル |
研究実績の概要 |
臓器虚血再灌流障害に対する修復の促進とミセルの応用をテーマに昨年度の実験計画を進め、現在のところ2つのシグナル因子に着目し、徐放のための高分子ミセル及び高分子ゲルの作成、及び動物実験モデルの確立に努めている。 組織修復のシグナル因子として、1つは炎症性メディエーターの1種であるHMGB-1に着目し、このシグナルタンパクの1部からなるペプチドによる虚血再灌流障害の抑制効果につき検証を進めている。当該ペプチドの血中安定性は低いため、現在ゼラチンを親水基とし、Polyethylene glycol(PEG)を疎水基とする高分子ミセル、もしくはPEG修飾リポソームによるペプチドの安定化が得られるかを検討中である。 また、別途ケモカインの1種であるStromal cell-derived factor 1(SDF-1)に着目し、これを高分子ゲルに内包して組織障害部位へ局注し、骨髄由来間葉系幹細胞の組織障害部位への集積及び修復の促進が得られるかも検討しており、ゼラチンを基盤とし、熱架橋によるゲルを作成し徐放効果が得られるかを検討している。 動物実験モデルとしては、マウス及びラットを用いて、肝/小腸の虚血再灌流障害モデルを試行錯誤している段階である。また、組織修復の前段階実験モデルとして、皮膚欠損モデル等にも取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19の蔓延により、実験エリアと病院等の診療エリアへの自由な往来が制限されているため、実験へ実働出来る時間が限られる点は挙げられる。 また、高分子ミセルの作成は当初予定していた乳酸オリゴマーでの作成が困難であった事もあり、現在も試行錯誤を継続している状態である。
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今後の研究の推進方策 |
進捗具合に遅れはあるものの、虚血再灌流障害抑制のための軸となるシグナル因子の選定や、またこれを安定化するためのミセル作成の方向性、また動物実験モデルの確立に向けて具体的な試行錯誤に取り組んでおり、実験成果を得るための下地は形成されつつあると考えている、研究実績欄に記載した方向性で、次年度も実験計画を継続予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19のため旅費等の支出がなく、また初年度の実験使用が極端に少なかったため使用額に差が出たものと考えている。現在の実験ペースであれば次年度に補助金の総額を使用するものと考えている。
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