術前投与した分子標的薬がトラスツズマブ(Tmab)・ペルツズマブ(Pmab)に蛍光色素を付着したトレーサーの機能を抑制するマスク効果を生じるという仮説を立て、マウスを用いた実験を行った。術前治療としてのTmab投与後にTmab+蛍光色素を投与した群では投与後2-8日の全ての期間で術前治療としてのTmabがない対照群と比較して蛍光強度が低い傾向あり。また、術前治療としてのPmab後にPmab+蛍光色素を投与した際にも同様の傾向あり。また、HER2受容体とTmab・Pmab+蛍光色素が細胞内に取り込まれる細胞内移行が癌細胞株を用いた実験で認められ、この細胞内移行が前述のマスク効果を回避していた。
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