研究課題
Myeloid-derived suppressor cells (MDSCs)は未熟な骨髄由来の細胞で免疫抑制効果を示し、さらに制御性T細胞やB細胞を誘導するため、拒絶反応、過剰免疫抑制が問題となる臓器移植領域においてもその応用が期待される。したがって特に免疫寛容誘導におけるMDSCsの役割の解明は非常に重要である。しかし、現時点で有効な応用方法については不明な点が多い。1.MDSCsのCD20+/IL-10+新規Bregsの誘導を心移植モデルにおいてその機序を解明する。2.移植臓器内抗MHC抗体の迅速かつ正確な検出法としてマウスでのImmunocomplex Capture Fluorescence Analysis法を確立し拒絶反応の客観的な評価方法を確立することを軸に研究を進めた。前感作の無いマウス心移植後(アログラフト)自然経過では術後3週の時点ではDonor Specific ani-MHC antibodyの産生を認め、上記の手法で移植グラフト内のMHCに特異的に結合、補体結合性を持ち抗体関連型拒絶反応に至ることが確認された。移植術後の周術期にMDSCs輸注をすることでCD20+/IL-10+Bregs誘導とともに、術後10日には血清中class I/II DSA産生量低下と共にアログラフト内class I/II DSA蓄積が抑制された。結果、組織学的にもアログラフトに対する拒絶反応抑制の効果を認め、グラフト生存期間は無治療群8.1±0.9日に比較し24.1±3.8日へ延長を認めた(p<0.0001)。臓器移植におけるMDSCsによる拒絶反応抑制効果が確認され、臨床応用が期待される結果であった。
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Transplantation Proceedings
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